小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」で昨年8月に発生した噴火は、もともと地下にあったマグマだまりに下から別の高温のマグマが流入し、ガスや熱が供給されて引き起こされたとみられることが、海洋研究開発機構のチームの軽石の分析からわかった。論文は日本地質学会の国際誌「アイランド アーク」に掲載された。
火山の地下には、地下深くからマグマが上がってきていったん停滞する場所があり、マグマだまりと呼ばれる。噴火で出る軽石はマグマが発泡しながら激しく噴き出したものなので、成分はマグマだまりのマグマと同じことが多い。
チームは、今回の噴火で出た軽石を太平洋などで集めて成分を分析。地下のマグマだまりにあったのは、温度が約900度という比較的低温の粗面岩(そめんがん)マグマだったことが分かった。一方、一部の軽石には、約1200度という高温の玄武岩(げんぶがん)マグマもわずかに含まれていた。
マグマだまりにないはずの高温のマグマが、なぜ含まれていたのか。
チームは、地下深くから高温…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル