人や物を乗せて無人で自動飛行し、垂直離着陸できる電動の「空飛ぶクルマ」。そんな未来の乗り物の開発が、千葉県我孫子市のNEC我孫子事業場で進められている。すでに浮上実験に成功し、実用化に向けて一歩を踏み出した。
空飛ぶクルマは、都市部や山間部などの移動、災害時の救急搬送や物資輸送などを想定し、世界で大企業からベンチャー企業までが開発に力を入れている。
日本では、政府が実現に向けて昨年夏、「空の移動革命に向けた官民協議会」を設立。NECの他にも宇宙航空研究開発機構(JAXA)、東大、日本航空、スバルなどが加わり、それぞれが開発を進めている。「クルマ」と表記されるのは、地上走行にこだわらないためという。
NECは昨年春にプロジェクトチームを作り、我孫子事業場を開発拠点とした。船公(ふなこう)久直・事業戦略企画グループマネジャーによると、試作機を飛ばせる広さがあり、東京の本社などからスタッフ約10人が通える距離にあるからだという。
今年8月、事業場にある高さ10メートル、縦横各20メートルのおりの中で試作機の浮上実験を成功させた。試作機は全長3・9メートル、幅3・7メートル、高さ1・3メートル、重量約150キロ。フレームのないモノコック構造でカーボン製。モーターは出力30キロワットだが、既存品だと重さ約30キロもあったため、約7キロのものを独自開発するなど軽量化に腐心した。
また、無人自動飛行や機体位置情報把握などのための飛行制御ソフトも新たに開発して搭載したという。
同社は、本格的な機体生産では…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル