立憲民主党の枝野幸男代表は26日、茨城県ひたちなか市で街頭演説し、先の参院選で掲げた「原発発祥の地・茨城から原発ゼロを訴える」という主張を重ねて鮮明にした。党が政策の柱に据える原発問題は、衆参両院で統一会派を結成した国民民主党との共闘態勢にきしみを生みかねない「パンドラの箱」でもある。
枝野氏は、党公認の新人1人を擁立したひたちなか市議選(27日投開票)の応援のために演説に臨んだ。同市は日立労組の牙城と位置づけられ、日立グループ労組出身の現職4人が国民民主党から出馬している。
枝野氏は、同市に隣接する東海村の日本原子力発電東海第2原発に言及し「大事故を起こしたら市の産業は取り返しがつかない」と主張した。「東日本大震災の原発事故で今も故郷に帰れない被災者がたくさんいる。原発は止めなければならない」とも訴えた。
茨城には原発建設も手がける日立製作所の関連工場が多く立地する。「原発ゼロ」を鮮明に打ち出す立憲民主党とは対照的に、日立グループ労組の支援を受ける国民民主党は、安全基準を満たした原発に限り再稼働を認めるという立場だ。
両党がたもとを分かつ前の旧民進党では、原発問題は、憲法改正と並ぶ党内対立の火種だった。分裂のわだかまりを乗り越えて歩み寄り始めた両党にとって、政策面の隔たりは、円滑な連携を阻む高いハードルとして眼前に立ちはだかっている。(松本学、永井大輔)
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