1954年に太平洋・ビキニ環礁で米国が実施した水爆実験で被曝(ひばく)したマグロ漁船「第五福竜丸」の元船員、久保山愛吉さんを悼む墓前祭が1日、久保山さんが眠る静岡県焼津市の弘徳院であった。関係者約50人が参列し、核のない世界の実現を墓前に誓った。
墓前祭は、被曝した3月1日に合わせて毎年実施されている。今年は新型コロナウイルスの感染拡大もあり、自粛も検討されたが、1月22日に核兵器禁止条約が発効されたことを墓前に報告したいと、例年より規模を縮小して実施された。
第五福竜丸平和協会代表理事の山本義彦静岡大名誉教授は、日本が条約に参加していないことに触れ、唯一の被爆国である日本こそ核兵器禁止条約を提唱すべきだと訴えた。あいさつでは、「核なき世界の実現と核被害者の根絶をめざしてみなさんと奮闘する」と墓前に誓った。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル