新型コロナウイルスの「第6波」では、高齢者施設のクラスターが相次ぎました。大阪では、アニメ「鬼滅の刃(やいば)」の「鬼殺隊」にあやかった名の訪問診療チーム「KISA2(きさつ)隊大阪」が33施設を支援。隊長の小林正宜医師(39)に現場から見た「第7波」への教訓を聞くと、ある職業がカギになると教えてくれました。
――KISA2隊大阪を立ち上げた経緯を聞かせてください
自宅で亡くなる新型コロナの患者が相次ぐ状況をみて、昨年9月に立ち上げた。
20~40代の有志の医師や看護師、薬剤師ら約40人がメンバーだ。新型コロナで時間が空いた飲食業の人がドライバーをしてくれ、ITに詳しい会社員も助けてくれている。
医師は開業医が多い。クラスターが起きた施設の支援は、自院の診療のない夜間や休日に行く。自宅療養者の日中の往診は、自院の診療の空き時間を使っている。
KISA2隊の名称は、京都で同様の活動を先行させていた医師が、メンバーを鼓舞したいと名付けた
――第6波ではどんな活動を?
保健所の依頼を受け、クラスターが起きた大阪府内の33の高齢者施設を支援した。重症化を防ぐため、感染早期の患者計300人超に点滴薬「ソトロビマブ」を投与した。
患者の命と、重症・中等症ベッドを守るためだ。
自宅療養者への往診やオンライン診療も、ピークの2月中旬は1日15件あった。
――第6波の大阪では、亡くなる方も多くでました
患者さんがベッドにたどり着かなかった。これが死亡者が増えた一因だと思う。施設の高齢者が中等症2になっても搬送できない状況があった。重篤になってからようやく病院が受けるので、死亡率が高くなったと思う。
――こうした事態を第7波で繰り返さないために、何が必要ですか?
新型コロナの「波」のたび、多くの患者が亡くなっています。「認知症の人は本当にマスクが難しいのか?」「第7波でカギになる職業とは?」「高齢者施設の課題とは?」。現場から見えた教訓をじっくり聞きました。
感染に強い施設を作る必要が…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル