東京・築地場外市場が再び活気を取り戻している。隣接する築地市場の移転やコロナ禍のピンチに直面しながら、今では平日でも観光客でごった返す。地元では「築地ブランド」の強みを再認識するとともに、まちの変化も感じている。
6月の土曜日。前夜の雨が昼前まで残っていたものの、築地場外市場は人でごった返していた。すし屋、魚介類を焼いて出す店、和菓子屋、果物店……。店の前には品定めする人や店に並ぶ人の行列ができ、街には呼び込みの声と外国語が入り交じる。各店でつくるNPO法人「築地食のまちづくり協議会」の広報部長で近江屋牛肉店の寺出昌弘社長(59)は「感覚的にはコロナ禍前の1・5倍ほどの人出。平日の客数が違う」と喜ぶ。
新型コロナの水際対策が緩和され、昨年末ごろから外国人観光客が増えている。海外のインフルエンサーが投稿したSNSを見て訪れる人も多い。家族5人で来日したタイ在住の米国人ケビン・エリオットさん(48)は「すしが好きだから築地で食べようと思って。色々な食べ物があり、新しいものにチャレンジできるのもいい。魚だけじゃなく、様々な店が並ぶ雰囲気が最高」と話す。
「『築地』が強いブランドに」
1923年の関東大震災で日…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル