国の緊急事態宣言の延長を受けて、特定警戒都道府県の一つに指定されている愛知県の大村秀章知事は4日夜、県独自の緊急事態宣言とそれに伴う緊急事態措置を5月末まで延長することを決定した。
大村知事は「県民には引き続きご不便をおかけするが、今しばらくのご辛抱、ご協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
陽性者が減ったのは事実だが…
政府が4月7日に東京、大阪などに緊急事態宣言を出した後、対象外だった愛知県は感染者の増加を受けて同10日に県独自で宣言を出した。同16日に政府の宣言対象が全国に拡大すると、県独自の宣言と政府の宣言の“二重”運用状態になった。
5月4日は、政府の宣言延長の決定後、愛知県新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開いて、県の緊急事態措置を継続する方針を確認。会議では、各部局が対応状況を報告し、その中でも保健医療局からは▽4月中旬以降、県内のPCR検査件数は一日平均200件以上行われているが、陽性者数は4月25日以降一日当たり0~5件に抑えられていること▽入院中の患者数がピークから90人以上減ったこと――などが示された。
これに対し、大村知事は「陽性者の件数が減ったのは事実」としながらも「それを確実にするためには、検査件数を増やし、それでも陽性者数が少ないと示していかなければいけない。(そうでなければ)社会経済活動の再開とはならない」として、PCR検査体制の拡充と入院医療体制の確保などに取り組む方針を示した。
また、学校の再開については、すでに4月24日時点で、県立学校の5月末までの休校延長を決定していたが、その上で、5月21日以降としていた「学校再開準備期間」に「分散登校・時差登校によって登校日を設定し、学校再開に向けた準備を行う」「登校日にはホームルーム、課題提出、学習状況点検、生徒面談、学校再開時の時間割の提示や持ち物の連絡などを行う」などの具体的な取り組みをまとめた。各市町村にも同様の取り組みを求めるという。
東京、大阪とは「レベルが違う」
会議後の報道陣の取材で、経済的な制限の解除に向けた基準について問われた大村知事は「客観的なデータを見れば東京、大阪と比べて愛知はもうその解除の水準に達している、レベルが違うと思う。ただ、検査件数を増やしても感染者数は少ない、医療をちゃんとやっているんだという実質を見せていかなければならない」と強調した。
一方、東京都や大阪府に比べてリアルタイムの情報発信が少ないという指摘もあったが、これについては「記者クラブと相談しながらやっているからだ。ここで議論する問題ではない」と述べた。
(関口威人/nameken)
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