大分県中津市耶馬渓町で住民6人が亡くなった山崩れの発生から11日で5年を迎えた。崩落現場に立つ慰霊碑を遺族や地域住民、市幹部職員らが訪れ、花を手向けて犠牲者を追悼。市内の中津文化会館では防災講演会があり、市職員や防災士、民生委員ら約90人が防災意識を高めた。
山崩れは2018年4月11日午前3時40分ごろに発生。山あいにある集落の裏山が幅約160メートル、水平距離約220メートルにわたって崩れ落ち、住宅4棟が土砂にのみこまれ、21歳から90歳まで6人の命が失われた。復旧工事中の滑落事故でも1人が亡くなった。
市は教訓にしようと、19年に4月11日を「中津市の防災を考える日」と定めた。この日は午前9時過ぎ、犠牲者の名前が刻まれた慰霊碑に向かって、参列者が黙禱(もくとう)。奥塚正典市長は「二度とこのような災害で犠牲となる方が出ないよう、市民と一緒に防災・減災対策に取り組んでいくことを誓う」と述べた。
結婚を控えていた娘と妻、妻の母の3人を亡くした会社員、江渕耕助さん(57)は「つらかったけれど、やっと気持ちが落ち着いた」と話した。「前向きに生きていくから、安らかに眠って、見守って下さい」と祈ったという。
母と弟を亡くした市社会福祉…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル