企業での職域接種は、自前の産業医を抱える大企業を中心に、21日から多くの会場で一斉に始まった。
40万人超の従業員を抱える日本郵政グループは21日朝、東京・大手町の本社内のホールで開始。郵便局で働く中高年の局員や、基礎疾患のある局員らが接種を始めた。東京都心の銀座郵便局で働く吉田慎也さん(43)は、ワクチン接種を終えて「全然、痛くなくて驚いた。配達先に安心してもらいたい」と話した。
同じホールで1日420回、年末までに約5万回の接種が行われる。グループ全体では、来月初旬までに全国計9会場に増やし、年末までに26万回13万人の接種を行う予定だ。
NTTドコモは本社が入る東京都千代田区の高層ビル内の特設会場で、近くのドコモショップ赤坂店のスタッフらが接種を受けた。この会場では、一日最大600人が接種を受ける。
会場は、近く大阪や名古屋、福岡など全国10カ所に広げ、接種人数も一日3千人規模に広げる。会場を、さらに増やすことも計画中だ。
ドコモの井伊基之社長は3カ月ほどで希望者全員の接種を終えたいとし、「お客さんと接点を持つスタッフから接種を進めたい。これまで不安を抱えていたお客さんやスタッフの安心につながれば」と話した。同グループでは、直営でない携帯販売店のスタッフらも含め、計約10万人の接種をめざす。
接種を受けたドコモショップ赤坂店の黒羽祐美子店長(30)は「これまでも感染対策をしてきたが、私たちも安心できるし、お客さまにも安心してもらいたい。一歩踏み出せたと思う」と話した。
大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、敷地内の施設で接種を始めた。社員やアルバイト、業務委託先の社員など約1万人が対象で、21日は数百人が受ける予定。パーク内で働く機会が多い従業員から接種し、8月末までの完了をめざす。接種を受けたアルバイトの城田優月さん(20)は「クルーが接種を済ませているということで、安心してほしい」と話した。
「出張が多い部署なので、ありがたい」
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル