神奈川県立の障害者施設「中井やまゆり園」(中井町)における利用者への虐待の有無について、調査していた県の第三者委員会は26日、虐待として疑われる事案が5件あったと報告した。服薬用の水などに塩や砂糖が入れられたり、利用者の肛門(こうもん)にナットが入っていたりしていたという。第一次の調査結果を受け取った黒岩祐治知事は「信じられない出来事が起きていた。うみを出し切り、県庁を挙げて改善に取り組む」と話した。
2019年に同園の利用者が骨折する事案があり、県が職員へのヒアリングを実施した結果、虐待が疑われる複数の事案があった。昨年12月~今年1月に職員や退職者ら約250人に匿名アンケートをしたところ事案は約40件に上り、県は3月に第三者委を設置し、調査していた。
第三者委はこのうち8件を優先的に調査。5件について、障害者虐待防止法の定める虐待が疑われ、関係市町に通報すべき事案だと判断した。誰が、どのような目的で虐待を行ったかがはっきりしていないケースもあり、アンケートなどで発覚したすべての事案について調査を継続する。
5件のうち、コップの水に塩などが混ぜられていた事案は20年7~11月ごろ、利用者が頻繁に嘔吐(おうと)したことから発覚。5人の利用者の服薬用の水やみそ汁に塩や砂糖が入れられ、ヒアリング調査の結果、職員が入れた可能性が極めて高いと判断した。肛門にナットが入っていたのは50代の男性利用者で20年3月に職員が異変に気付いた。職員や本人、医師を調査した結果、第三者委は本人が入れた可能性は低く、職員が入れた可能性が高いとした。
利用者の食べ物に多量のシロ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル