ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語「ワーケーション」が注目されている。
【全画像をみる】脚光浴びる「ワーケーション」ブームの影にある、自治体のホンネとは?
普段の職場を離れ、リゾート地や温泉地でテレワークで仕事をしつつ、地域を楽しむ働き方だ。2019年11月には、全国の60を超える地域が協議会を作るなど、ワーケーションの誘致に乗り出した自治体も多い。
人口減少が続く地方では、移住者の確保が死活問題になっている。地方創生が叫ばれて久しいが、国も有効な手段を示せておらず、地方には「地域に、ただ来て帰る人を増やすだけでは、人口減少の解決にはならない」との危機感が募っている。
奈良県下北山村でワーケーションを実践しながら、地方とワーケーションの今を取材した。
東京から8時間かけ下北山村へ
記者は11月21日から25日、カヤックLivingとBusiness Insider Japanの取り組み「紀伊半島はたらく・くらすプロジェクト」に参加し、奈良県南部の下北山村に滞在した。
下北山村は遠かった。東京から電車を乗り継いだ後、レンタカーを約1時間運転。片道約8時間の長旅だった。
下北山村はかつては林業で栄え、1960年の人口は4000人を超えていた。しかし少子高齢化が進み、2015年には人口895人にまで減少。過疎化が進む山間部の小さな村だ。
滞在期間中は、東京で取材しておいた原稿を書いたり、取材先にメールを送ったりとまったり仕事をこなした。週末にはシカ猟を見学したり、夜には満天の星を撮影したりと休日を満喫。5日間の滞在期間中、地元の人と交流する機会も多く、東京に戻ってからもSNSを通じて村の情報を知るのが楽しみになった。
「遊んでるプレッシャー」高まり逆に集中できる
ソーシャルメディア運用などを手がけるガイアックスで人事を担当する木村智浩さん(38)も、同プロジェクトに参加。過去にも沖縄県でワーケーションをした経験があり、今回は下北山村で約1週間過ごした。
「週末だけの旅行では、次々に名所を巡ることになってしまう。ワーケーションのように、同じところに滞在するからこそ、余裕をもって現地の自然や食文化、生活を楽しめます」
木村さんは、常にメールをチェックし、会社や家族への連絡も頻繁にしていた。
「リモートワークのデメリットは特にないと感じています。むしろ、東京から見ると『遊んでいる』と思われがちなので、逆にプレッシャーが高まり集中できます」
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース