中村英一郎、阿部育子
神奈川県平塚市撫子原の住宅で13日に男女2人の遺体が見つかり、県警は14日、この家に住む職業調査中、新谷嘉朗容疑者(50)を死体遺棄容疑で逮捕し、発表した。「遺棄はしていない」と容疑を否認しているという。遺体は70代の父母とみられ、県警が身元の特定を進めている。
逮捕容疑は自宅で2人の遺体を放置し、遺棄したというもの。捜査関係者らによると、この家は夫婦と息子の新谷容疑者の3人暮らし。夫婦の知人が13日、近くの交番に「連絡がとれない」と届け出て、交番の警察官が家の中で2人の遺体を見つけた。付近住民によると、新谷容疑者は同日朝に車で家を出ていったという。
新谷容疑者をめぐっては、2021年10月~22年9月まで、6回にわたり、家族から「息子に暴力をふるわれた」「息子があばれているので現場を沈めてほしい」などと通報があり、警察官が現場にかけつけたという。家族が事件化を望まなかったため、同容疑者に警告するとともに、高齢者虐待防止法に基づき、行政機関に通報したという。
遺棄事件の現場はJR平塚駅から約2キロの住宅密集地。近くの60代の会社員男性は「家の中から怒鳴り声やものをたたく音が聞こえた」と振り返った。近所の女子中学生は「事件だとしたら、外に出るのが怖い」と話し、外出を控えていたという。(中村英一郎、阿部育子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル