イッセイミヤケが2021年秋冬コレクションを映像で発表した。「生まれたままで」をテーマに、石や貝殻、卵といった自然物の美しさを表現した。
デザイナーの近藤悟史は、うずらの卵を撮った写真集を見て「まるで宇宙のようで、生々しい強さを感じた。静かだけれど内面が強い、タイムレスな服を作りたいと思った」と話す。ひとえに卵といっても、白いものもあれば、黄や茶色がかったものもある。そうした自然のありのままの色や形をとり入れたいと、無染色のウールのコートやオーガニックコットンを使ったセットアップなどを提案した。
京都の職人による「墨流し」の技で石を表現したシャツやワンピースもある。水面に染料をたらし、丸く広がった模様をうつしとった。また、プリーツが曲線になったトップスやパンツは、水の波紋のようにも見える。
近藤は「これまでは海外や美術館などに出かけることで様々なインスピレーションを受けてきたが、コロナ下で職場や家族と向き合う時間が多かった。自然や生地、洋服の1着1着と対話し、今回は抽象的なムードよりもリアリティーを追求した」と言う。(神宮桃子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル