上保晃平
自衛隊を違憲とした唯一の判決である「長沼ナイキ基地訴訟」の札幌地裁判決から50年を迎えたのを記念して9日、札幌市で集会があり、約230人が参加した。登壇した当時の原告側弁護士は「戦争する国づくりを危惧する国民の力で判決を勝ち取った」と振り返った。
訴訟では、国が北海道長沼町でミサイル基地(現・航空自衛隊長沼分屯基地)の建設を計画し、予定地の保安林指定を解除したのに対し、地元住民がその違法性や自衛隊の違憲性を争った。
1973年9月7日の地裁判決は、自衛隊を憲法9条に違反する「戦力」と認定し、保安林指定の解除も違法とした。その後の上級審は自衛隊の憲法判断を避け、原告の訴えも退けた。
原告弁護団の一人だった内藤功弁護士は集会で、「裁判長や世論が裁判干渉と戦い、司法の独立を守った。地裁判決は軍備を拡張しようとする動きに深刻な影響を与え、封じ込めてきた」と述べ、訴訟や判決の意義を語った。地裁判決を示した福島重雄元裁判長も姿を見せた。(上保晃平)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル