成沢解語
防衛省は15日、自衛隊で使われていた車両18台が国内外で販売されたり、使用されたりしていることを確認した、と発表した。解体業者を通じて流出しているのではとの指摘が国会などであり調査したが、流出ルートは確認できなかったという。今後は適切に解体が行われているか確認し、再発を防ぐとしている。
防衛省は、業者に売り払われた陸上自衛隊の高機動車とみられる車両が市中に出回っているとの情報を元に調査。その結果、国内で10台、フィリピンで8台の車両を確認した。解体や破砕が十分でなかったため再び組み立てられたり、フィリピンから逆輸入されて自動車登録されたりする事例があったという。
国内の10台のうち、2台は国外に転売されようとしていたという。転売を試みていたのは解体業者「栄興業」(岐阜県)で、防衛省は15日から9カ月間、防衛省からの業務委託を受けられないよう指名停止とした。
防衛省は転売禁止を明記していた2018年4月~今年3月、約7500台の解体を発注した約90業者に聞き取り調査を実施したが、いずれも転売していないと回答。解体の報告書の提出を怠っていた引き取り業者「JTカンパニー」(東京都)については4カ月の指名停止としたが、犯罪行為にあたる事実は確認できず、告訴・告発は見送ったという。(成沢解語)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル