俳優の天野鎮雄(あまの・しずお)さんが11月5日に死去した。87歳だった。東海地方にゆかりがある人、とりわけ中高年世代で愛称の「アマチンさん」を知らない人はおそらくいないだろう。演劇人として、さらに社会貢献で広く深い根を張った生涯だった。
深夜ラジオ「ミッドナイト東海」で一躍有名に
名古屋市で生まれ、小学生時代に演じる楽しさを知った。現在の愛知教育大学を卒業し、20代半ばに上京。文学座の演劇研究所で学んだが、座員にはなれなかった。帰郷後の1968年、転機を得る。東海ラジオの深夜番組「ミッドナイト東海」のパーソナリティーだ。東海地方の深夜ラジオのさきがけで、中高生らの人気を集めた。週1千通を超えるリクエストのはがきに、思春期の悩みもつづられ、マイクを通して兄のように寄り添った。当時のリスナーには後に俳優となる竹下景子さんもいた。
■幅広い世代から共感…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル