神戸大などの研究チームが、鹿児島県の奄美大島と徳之島で、新種のランを発見した。花を咲かせずに、つぼみのまま自家受粉するのが特徴。「アマミヤツシロラン」と名付けた。2日、論文が植物分類学の国際誌オンライン版(https://doi.org/10.11646/phytotaxa.413.3.3)に掲載される。
地元の植物研究家の森田秀一さんらが今年3月に見つけ、同大の末次健司准教授(生態学)が新種と確認した。光の届かない暗い森で自生しており、光合成せずにキノコやカビの仲間から養分を得る「菌従属栄養植物」の一種だという。
研究チームは「昆虫がやってこない環境で花を咲かせるのは『コスト』に見合わず、やめてしまった可能性がある」とみている。
研究チームは昨年、奄美大島で新種の「アマミムヨウラン」も見つけた。末次准教授は「一連の発見は奄美大島の森の豊かさを示している」と話している。(小川裕介)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル