「黒い霧」と「値下げの菅」
12月4日の金曜日。菅さんにとって初めてとなる臨時国会が事実上閉会しました。 「終息の見通しが立っていればまだしも、感染拡大の可能性が極めて高いという専門家の報告を聞くと、国会がここで閉会して、冬休みを取るわけにはいかない」 野党(立憲民主、共産、国民民主、社民の4党)はこの日午前、年末まで会期延長を求める動議を提出しましたが、与党の反対で否決されました。 与野党の攻防の本丸は、「桜を見る会」の前日に後援会が開いた夕食会の費用を補てんしていた疑いで、東京地検特捜部から聴取要請された安倍さんです。 1年間にわたる国会での「虚偽答弁」を指摘する野党は、安倍さんの国会招致を求めていたからです。午後になって、閉会手続きが行われた国会に姿を現した安倍さんの周りには、報道陣と警護の人だかりができました。 今週は、鶏卵業者から大臣時代に計500万円の現金を受け取った疑いを報じられた吉川貴盛・元農林水産相が、健康上の問題を理由にして、自民党の選挙対策委員長代行などの役職を辞職する事態も起きました。 吉川さんは菅さんと同じ1996年の衆院選で初当選し、今年9月の総裁選では菅陣営の事務局長を務めた人です。 4日夜、2カ月半ぶりに官邸で記者会見を開いた菅さんは、政権与党に立ちこめる「黒い霧」を払いのけるように、「これまでお約束した改革については、できるものからすぐ着手し、結果を出して成果を実感していただきたい」と言って、不妊治療への助成拡大や携帯電話料金値下げの実績をアピールしました。 特に「一つの節目」と力を込めたのは、前日、NTTドコモが割安プランを発表した携帯料金の値下げです。 「今回、大手のうちの1社が、大容量プランについて、2年前に比べて7割安い20ギガで2980円という料金プランをメインブランドの中で実現するとの発表がありました。本格的な競争に向けて一つの節目を迎えたと思います」 携帯料金の値下げは、菅さんが官房長官時代、「4割値下げする余地がある」と打ち上げた肝いりの政策です。菅さんはこれまでもNHK受信料値下げや東京湾アクアラインのETC料金値下げを仕掛け、公明党が求めた消費税の軽減税率導入を後押しするなど、「値下げ」に強いこだわりがあります。 菅さんは「本当の改革はこれからです。個々人の料金負担が本当に下がっているのか、サブブランドに移行する場合の手数料など、残された障害がないか見ていきながら、必要に応じて更なる対応を採っていきたい」と訴えました。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース