老人ホームで入所者に薬物を飲ませて殺害したとして、当時職員だった男(40)が11日に殺人容疑で長野県警に逮捕された。男はこれ以外にも別の入所者の通帳を不正利用したり、同僚に向精神薬を飲ませたりしたとして起訴されていた。約50人が暮らすホーム内で一体何があったのか。
男は、望月大輔容疑者=長野県下諏訪町。昨年5月28日、当時勤務していた同県塩尻市内の老人ホーム「ケアハウスえんれい」で、入所者だった前田裕子さん(当時77)に対し、何らかの手段で薬物を飲ませ、殺害した疑いがある。
ホームの関係者によると、望月容疑者は昨年1月に「生活相談員」として採用された。介護福祉士の資格を持ち、以前も福祉関係の仕事に就いたことがあったという。
ホームの職員は計4人で、鍵が掛かる1人部屋に暮らす入所者約50人の介護業務に当たり、入所者個別では担当しない。勤務時間は午前8時半~午後5時半で、このほかに1時間あまり早く出社して朝食を用意する早番と、夕食を準備して30分遅く退社する遅番がいた。夜勤はないという。
土田明夫施設長は望月容疑者の勤務態度について、「特に問題はなく、入所者には丁寧に対応していた。物腰が柔らかくておっとりした感じで、入所者や同僚とトラブルになることもなかった」と話す。無断欠勤などもなかったという。
被害者と最後に接触
一方死亡した前田さんは数年前に入所。あまり外出するタイプではなかったが、健康状態は良好だった。望月容疑者が薬を飲ませたとされる昨年5月28日昼ごろには「おなかの調子が悪い」と訴えていたといい、最後に接した職員である望月容疑者の引き継ぎ簿にもその旨が記載されていた。
前田さんは翌日午前8時ごろ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル