厚生労働省は、児童虐待が疑われる際などに親から子どもを引き離す「一時保護」について、児童相談所(児相)が行う必要があるかどうか、裁判所が審査して「一時保護状(仮称)」を出す仕組みを導入する方向で検討に入った。今後、詳細を詰め、来年の通常国会に児童福祉法の改正案を提出することをめざす。
厚労省が5日の審議会で示した案によると、一時保護に対して親の同意が得られない場合、児相が裁判所に一時保護状の発行を請求する。裁判官は児相が事前に集めた資料をもとに、子どもの安全確保や心身の状況を把握するといった目的で一時保護を認めるかを審査。必要ないと判断すれば一時保護状は発行しない。
一時保護では、子どもの行動を制限する一方、親権の行使も制限する。親と児相が対立し、長い間の親子分離を招くケースもある。厚労省は手続きの透明性を確保するため、新たな制度を導入したい考えだ。日本も批准した「子どもの権利条約」でも、司法の目を通した手続きを求めている。親が同意している場合は、こうした審査はしない。
子どもの命の危険が迫っているような緊急性が高い場合、先に一時保護をしてから裁判所に請求することも想定する。一時保護から何日以内に一時保護状を請求するのかといった手続きの詳細は決まっていない。
5日の審議会では、裁判所に…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル