神戸市北区で2010年10月、私立神戸弘陵高校2年の堤将太さん(当時16)が殺害された事件は、当時17歳だった元少年(28)が殺人容疑で逮捕され、急展開を見せた。堤さんの両親らは11年近くにわたり、解決を願って情報提供を呼びかけ続けてきた。
堤さんの父、敏さん(62)は容疑者逮捕が報じられた4日夜、北区の自宅前で報道陣の取材に応じた。「『ほんまなのか』という驚きがある」と話し、「事件のことをすべて知りたい。遺骨はまだ自宅にあり、墓はつくっていない。息子にはすべてが終わり、自分がすべてを理解した上で報告したい」とかみしめるように語った。逮捕については4日昼ごろに兵庫県警から連絡を受けたという。
家族は県警を通じて談話も出した。「『本当なのか』と驚くとともに、これまで情報提供を求める活動を重ねてきた思いもあいまって、涙がこみ上げてきました。警察の捜査には大変感謝しております。現在、私たちに出来ることは、静かに冥福を祈ることです」とつづった。
事件は北区筑紫が丘4丁目の路上で10年10月4日夜に起きた。堤さんが友人の女子中学生(当時15)と話していたところ、無言で近づいてきた男に刃物で首や頭を突き刺されるなどして亡くなった。男は逃走した。
捜査が難航するなか、堤さんの遺族は事件の風化を防ぎたいと活動を続けていた。
敏さんや母の正子さんは事件があった10月4日を中心に毎年数回、現場近くの駅や神戸市中心部の繁華街などに立ってビラを配るなどしてきた。
敏さんは17年10月には…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル