書籍の販売はピークだった1996年以降、ずっと下落傾向。出版不況といわれるいま、本を読まずに「聞く」システムが人気を集めていて、サービスの契約数を1年で2.6倍に増やしている企業もあります。
声を吹き込むのはプロの声優
主にスマートフォン向けに配信されているオーディオブック。辻憲太郎解説委員が東京・文京区にある制作現場、オトバンクのスタジオを訪れました。
「部屋の中に小部屋があります。レコーディングスタジオですね」(辻解説員)
この日、収録していた本は、知念実希人さんが書いた恋愛ミステリー小説「崩れる脳を抱きしめて」。去年、「本屋大賞」にノミネートされた人気作品です。演じているのは、アニメ「七つの大罪」などで活躍しているプロの声優・金本涼輔さんで、もともと本が持っている「読者が場面を想像する」余地を残しながら声を入れているといいます。
『はじめまして、研修医の碓氷蒼馬といいます』(声優 金本涼輔さん ※収録の音声より)
「いい声ですね~」(辻解説委員)
うっとりしそうな美声ですが、とても時間がかかりそうです。
Q.この本(『崩れる脳を抱きしめて』)290ページありますが、オーディオブックの時間はどれくらいですか?
「11時間くらいが完成尺になります」(オトバンク・オーディオブック事業部 佐伯帆乃香さん)
…ということは、声を入れていく声優の負担はもっと大きいようです。
Q.この作品で収録時間はどれくらいですか?
「1回あたり4~5時間くらい録るのを8回だと思います。声優の仕事の中では分量があると思います。かなり長いですね」(声優 金本涼輔さん)
登場人物に合わせて複数の声優が吹き込むため、この本を作るのにかかった時間はなんと50時間。でも、志望者が多く飽和状態といわれる声優にとってチャンスの到来ともいえます。
Q.皆さんのお仕事は増えている?
「オーディオブックをやらせていただいた人(声優)は周りにも増えています」(金本涼輔さん)
Q.“新たな鉱脈”が見つかったという感じ?
「かもしれないですね」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース