東京都調布市の市道が陥没した事故で、現場の地下でトンネル工事をした東日本高速道路(NEXCO東日本)などは20日、陥没の原因について中間報告を出したことを踏まえて住民説明会を開いた。出席した住民から、事前の調査や工事の進め方、賠償についての説明をめぐって批判が相次いだ。
説明会は市内の滝坂小学校で2回開かれた。1回目に出席した住民は50~60人。事業者側は自宅にチラシを配った住民に出席者を限定した。NEXCO東日本は「補償の話もあり、住民のプライバシーを守るため」などとして、報道機関が会場内で取材することを拒み、住民が動画を撮影して公開することも禁じた。
住民によると、事業者側はトンネル工事が陥没の一因だとして冒頭で謝罪した。住民が資産価値の下落や風評被害を補償するか問うと、「資料を持ち合わせていない」として、今後個別の対応になるとの見通しを示したという。
家の真下に空洞が見つかった男性は、事業者側の説明に「がっかり。精神的な被害への補償なども、想定していない」と指摘した。また、事業者側が地盤の特性も事故の一因だとしていることについて、事前の調査を怠ったとして、「人災だ」と非難した。(平山亜理)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル