昨年4月に発足した警察庁のサイバー特別捜査隊が、特殊詐欺でだまし取られた暗号資産を追跡する態勢を整えている。専用の資機材を導入し、口座間の移動を繰り返していく流れを追う作業を本格化。詐取された暗号資産が集約された先の口座を突き止めたケースもあるという。
暗号資産は口座から口座へ転々とさせることで資金の出どころや実際の所有者が分かりづらく、犯罪で得た資金の洗浄(マネーロンダリング)に悪用されているとみられている。特殊詐欺事件では、指定の口座にビットコインなどの暗号資産で振り込ませたり、振り込ませた現金を暗号資産に変えたりする例がある。
捜査関係者によると、サイバー特捜隊は昨年秋ごろ、暗号資産の流れを追跡するための専用の資機材を導入した。暗号資産は「ブロックチェーン」と呼ばれる技術で取引が記録、管理されており、民間のツールを活用するなどして取引状況を解析できるという。
特殊詐欺で暗号資産が詐取された事件は都道府県警が警察庁に報告し、追跡作業を特捜隊に一本化。口座間の移動を繰り返していく流れを追う作業を本格化させている。追跡の結果、被害に遭った複数の暗号資産が海外にある交換所や個人の口座に集まっているケースも把握した。警察庁が当該国の捜査当局に口座開設者の情報を照会するなどし、捜査を進めている。
警察庁によると、特殊詐欺で…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル