三重県熊野市紀和町の谷間に棚田が広がる「丸山千枚田」で8日、豊作を願う「虫おくり」が行われた。棚田の数と同じ1340本のろうそくに火がともされ、棚田を幻想的に照らし出した。
虫おくりは、農村で害虫を駆除するために行われる伝統行事。農村の人たちがたいまつや太鼓、鐘などを手にあぜ道を練り歩き、火と音で害虫を追い払う。
丸山千枚田では1953年に一度途絶えたが、2004年に熊野古道の世界遺産登録を記念して住民らが復活させ、地域のイベントとして定着している。
津市から夫と訪れた酒井啓子さん(67)は「美しく見事な棚田。昔の人はよく作り上げた」と感慨深げに話した。
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