将棋の第5期叡王(えいおう)戦七番勝負(ドワンゴ主催)の第9局が21日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、挑戦者の豊島将之竜王(30)が永瀬拓矢叡王(28)=王座とあわせ二冠=に111手で勝ち、シリーズ4勝3敗(2持将棋(じしょうぎ))でタイトルを獲得した。永瀬叡王の初防衛はならなかった。
豊島竜王は愛知県一宮市出身。8月に名人位を失ってタイトルが竜王一つになったが、二冠に復帰した。「名人戦は内容も良くなくて、失冠してしまった。一つ結果が出せて良かった」と語った。
永瀬叡王は「先手と後手で勝率の差が出た。その差を埋めないといけない」と話した。
豊島竜王のタイトル獲得は5期目。10月からは、竜王戦の防衛戦を戦う。挑戦者の羽生善治九段(49)は、タイトル獲得通算100期の大台到達を懸けたタイトル戦となる。
叡王戦七番勝負は新型コロナウイルスの影響で開幕が2カ月以上遅れて6月に始まった。第1局は千日手で即日指し直し、第2局と第3局が連続して持将棋(引き分け)になるなど、異例の進行をたどった。(村瀬信也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル