Q 各地で雨が降っていて災害が心配だよ。
A 毎年のように豪雨災害で犠牲者が出ている。身を守るには、まずどんな危険が迫っているかを知ることが基本だ。
Q 危険を知るにはどうすればいいのかな?
A 気象庁は公式サイト「キキクル」(https://www.jma.go.jp/bosai/risk/#zoom:5/lat:34.016242/lon:135.000000/colordepth:normal/elements:land)で、災害の危険度をリアルタイムで色分けして地図で表示している。2017年に始めた「危険度分布」というサービスが元だよ。
Q 地図で色分けされていれば分かりやすいね。
A キキクルでは3種類の災害の危険度がわかる。大雨によって発生する「土砂災害」や「浸水害」、「洪水」だ。5段階の警戒レベルに応じて色を変えて表示している。自主的な避難の判断に役立ててもらうのが狙いだ。
Q 何色に注意すればいいのかな?
A 警戒レベルが最も高い「レベル5」は黒色だ。災害が発生、もしくは切迫していることを示す。この時点では、自宅を出て避難所に向かうこと自体が危険で、同じ建物内の上階など、より安全な場所にすぐに移動して身の安全を確保する必要がある。
Q そんなに危険が迫っているんだね。
A そうなんだ。だから黒色になる前に避難を済ませておく必要がある。例えば、高齢者たちが避難を始めるべき「レベル3」の赤色や、各市町村の避難指示に相当する「レベル4」の紫色だ。
Q 実際に大雨が降っていると色が次々に変わって危険を伝えてくれるんだね。
A ただキキクルの画面をずっと注視していられるとも限らない。そんな時は、同庁のサイトにある「今後の雨」(https://www.jma.go.jp/bosai/kaikotan/#zoom:5/lat:33.797409/lon:134.824219/colordepth:normal/elements:rasrf&slmcs&slmcs_fcst)が参考になる。半日ほど先までの雨雲の動きが分かるため、大雨になりそうな時間帯を予想できる。自宅や遠方の家族に注意を呼びかけるために、どのタイミングでキキクルを確認すればいいのかがつかめる。
Q 災害の前にキキクルでできることはあるのかな?
A 平時からの備えも大事だ。気象庁サイトの「あなたの街の防災情報」(https://www.jma.go.jp/bosai/#pattern=default)で、自宅や遠方の家族の地域を設定しておけば、登録した地域の画面が表示されるようになる。また、キキクルの地図にはハザードマップに基づく「土砂災害警戒区域」や「洪水浸水想定区域」を重ねることもできる。避難先をあらかじめ考えておくのに役立ちそうだ。
Q なるほどね。
A キキクルのデータを活用したスマホ用のアプリもある。「Yahoo!JAPAN」や「特務機関NERV(ネルフ)防災」などだ。危険度が高まると希望者に通知する機能がある。気象庁の担当者は、自治体の避難指示に沿うのが基本としつつ、「避難指示が出ていなくても自分の判断で避難を検討するのに役立ててほしい」と呼びかけているよ。(宮野拓也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル