4日からの記録的な豪雨で大きな被害を受けた熊本県球磨村の四つの集落が、24日の激しい雨で再び浸水した。一夜明けた25日、避難先から集落を訪れた住民からは失意の声が漏れた。
25日午前、記者が神瀬(こうのせ)地区の木屋角(きやのすみ)集落に入ると、多くの住宅の1階部分が土砂に埋もれているのが確認できた。天井以外が土砂に埋まった乗用車も数台あった。住宅と住宅の間には24日の雨水が小川のように流れていた。
村によると、浸水したのは木屋角集落のほか、いずれも神瀬地区の神瀬1区▽同2区▽上原の3集落。4集落には計83世帯あるが、うち何世帯が浸水したかは調査中という。
神瀬1、2区の2集落に面した球磨川沿いの国道219号も冠水した。4日の豪雨では国道脇の排水溝に土砂が詰まり、水はけが悪くなっていた。木屋角と上原の2集落は4日に氾濫(はんらん)した球磨川支流の川内川沿いにあり、24日は川内川が氾濫。川底にたまった土砂で水があふれたという。
木屋角集落に住む高校講師の有田和生さん(65)の自宅は1階が土砂で埋め尽くされていた。25日午前に避難先の熊本県八代市から様子を見に来たが「豪雨の後、仕事が休みの日にスコップで一人で掘り出したのに」と肩を落とした。しかも素手で玄関にたまった石を取り除いていたところ、再び雨が降り出した。「もうやる気がでない。がっかりする」と漏らした。(山崎毅朗)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル