日差しが暖かかった11月中旬の昼下がり。東京都中央区の都営地下鉄築地市場駅近くの路上を歩いていると、驚きの光景が目に飛び込んできた。車の屋根にハトが留まっている。それもざっと30羽以上。なぜなのか。専門家に聞いてみると、知らなかったハトの生態が見えてきた。
現場は人通りも、車通りもそこそこある道路。ハトが群がっていた車が停車していた路肩の真横には小さな公園があった。ハトは「クルッ、クルッ」と言うだけで、その場を離れようとしない。車をとめて休憩していた所有者も困り顔だった。「別にエサをまいているわけでもないのになぜ……」。車の屋根は日当たりがよく、暖かいからなのか――。皆目見当がつかなかった。
ハトの識別能力を示した先駆的な研究で知られ、「人々を笑わせ、考えさせる」イグ・ノーベル賞を1995年に受けた慶応大学の渡辺茂名誉教授によると、ハトが留まる場所を選ぶ理由は主に二つあるという。
■ハトの狙いは…
一つは安全性だ。ハトには天…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル