能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市の避難所内に、段ボールでできた「家」が設置されている。とんがり屋根のかわいらしい形は子どもたちにも大人気。考案した大学教授によると、きっかけは東日本大震災で被災した小学生のひと言だった。
地震の影響で窓ガラスが割れ、冷たい風が吹き込む輪島中学校の体育館に、高さ2・5メートルの茶色いツリーのような建物が並んでいる。壁には色とりどりの絵が子どもたちによって描かれ、隅っこには「ぼくがかいた」という文字もあった。
開発したのは、建築設計を専門にする名古屋工業大学教授の北川啓介さん(49)。パーツを組み合わせると15分ほどでできる「インスタントハウス」で、断熱性があり、遮音性にも優れている。女性の着替えや授乳、おむつ交換の場としてだけでなく、体調を崩した人が救急搬送前に休む場としても使われている。避難生活を送る女性(67)は「人目を気にせず着替えができるからありがたい」と話した。
北川さんは2日、10棟分の…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル