日本大学アメリカンフットボール部員が麻薬取締法違反罪で起訴された事件で、警視庁は16日、別の4年生の男子部員(21)を、密売人から大麻を買ったとして麻薬特例法違反容疑で逮捕した。認否は明らかにしていない。同部の部員の逮捕は2人目。
捜査関係者によると、男子部員は今年、東京都内で、大麻と認識しながら密売人から薬物を購入した疑いがある。逮捕容疑となった薬物は見つかっていないが、捜査で押収したスマートフォンの解析などから、譲り受けたと判断したという。
日大アメフト部を巡っては、警視庁が8月3日に学生寮を家宅捜索。同5日、3年生部員の北畠成文(のりやす)容疑者(21)が覚醒剤取締法違反容疑などで逮捕され、合成麻薬と思っていたとして麻薬取締法違反罪で起訴された。
北畠被告は大麻について、警視庁に「他の部員と吸った残り」と説明。警視庁は8月22日、学生寮に2度目の家宅捜索に入り、3~4年生の部員4人から任意で事情を聴いていた。捜査関係者によると、今回逮捕された男子部員はこの4人のうちの1人で、昨年度、北畠被告と学生寮で同部屋だったという。
事件を受け、日大は8月24日付で第三者委員会を設置。文部科学省は日大に調査・検証と報告を求めた。日大は同部を無期限の活動停止処分にしている。
同部をめぐっては、8月下旬、部員へのパワハラ行為があったとしてコーチが解任され、9月中旬には20歳未満の複数の部員の飲酒が発覚した。(福冨旅史、御船紗子)
日本大学アメリカンフットボール部での薬物をめぐる経緯
(捜査関係者への取材による)
昨年以降 警視庁や日大側に薬物に関する匿名の情報提供
7月6日 日大側が学生寮内で植物片などを確認
18日 日大から警視庁に植物片などが見つかったと連絡
22日 日大が保護者説明会
8月2日 日大が「違法薬物は確認できていない」と表明
3日 警視庁が学生寮を家宅捜索
5日 警視庁が3年生部員の北畠成文容疑者を逮捕
8日 日大の林真理子理事長らが記者会見
22日 警視庁が学生寮を2度目の家宅捜索
10月16日 警視庁が4年生部員を逮捕
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル