「みなさん、紋別を離れるんですよね」
オホーツク海沿岸にある北海道紋別市の宮川良一市長(68)が語りかけた。1月13日、技能実習を終える中国人4人に市が感謝状を贈る式典があった。市長は続けた。「さみしいですね」
感謝状の式典に参加した実習生4人のうち3人は中国に戻るが、内モンゴル自治区出身の李媛(リ・ウァン)さん(37)は日本に残る。
3年間、市内の水産加工場で魚をさばく仕事をしていた。特定技能の在留資格に移行し、1月末から静岡県内の弁当チェーン店で働く。原則転職できない技能実習と違って、同じ業種や試験に受かれば職場を選べる。
国に16歳の長男を残してきた。それでも日本で働き続けるのは「稼ぎたいから」。紋別の町は静かで好きだが、寒い中での水仕事はつらかった。指や手首がたびたび痛み、腱鞘(けんしょう)炎で通院しているという。
「実習生はずっと同じ仕事をしないといけない。働ける場所を選べるようにしてほしい」
「やがては家族ぐるみで」定着願う
紋別が実習生を受け入れ始め…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル