10都道府県に出されている新型コロナウイルス緊急事態宣言が解除されれば、酒は提供できるのか。21日にまん延防止等重点措置に移行することが検討されている大阪府の繁華街でも、多くの飲食店がその判断に神経をとがらせる。大阪・北新地ではほとんどのバーが休業する中、赤字覚悟でノンアルコール営業を決断したバーがある。店主の思いと覚悟を聞いた。
「このままだとお客さんに忘れられてしまう」
3度目の緊急事態宣言から約3週間が経過した5月中旬。休業していたバー「Hardi Orge(アルディ オルジュ)」は、週末(金曜と土曜)のみ午後2時から8時、ノンアルコールドリンクを提供する形での営業再開に踏み切った。
店主でバーテンダーの池田育世さん(43)はこれまで、繰り返されてきた飲食店への時短・休業要請には従ってきたものの、長引くコロナ禍の中で葛藤も増えた。人流を増やしていいのか。医療従事者を裏切る行為にならないか。ネットやテレビを見ても、それぞれの「正解」を掲げた主張が飛び交っているだけだった。
「正しいことなんてわからな…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル