古源盛一
北海道東部の浜中町の湯沸(とうふつ)岬(通称・霧多布〈きりたっぷ〉岬)の沖合で、ラッコのベビーラッシュが起きている。今月に入り4組の母子が確認された。波間に抱き合って寝ている姿や毛繕いをしている様子が、岬の遊歩道から観察できる。
2017年から本格的に観察を続ける地元のNPO法人エトピリカ基金によると、繁殖が初めて確認されたのは18年春。その後、メス2頭が子育てしていたが、今年6月に3頭目、7月上旬に4頭目の出産が確認された。岬周辺での生息数は最大14頭となった。
片岡義広理事長は、繁殖地として定着した可能性があるとみる。「約半年間の子育て中に死んでしまう子どもも少なくない。マナーを守って静かに見守ってほしい」
北海道東部では10年代から根室市のモユルリ島周辺でラッコの繁殖が確認され、昨年と今年は釧路町の尻羽岬周辺でもラッコが目撃された。生息域が北方領土から広がっている可能性がある。(古源盛一)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル