鳥獣害対策の有識者らでつくる野生動物対策技術研究会は8日、野生動物による被害軽減を目的とした全国集会をオンラインで開いた。野生動物の市街地出没をテーマに、イノシシや熊の事例を紹介。根本的な解決に向けて、野生動物が近づかないようにする環境整備の重要性を確認した。 野生動物保護管理事務所関西支社の加藤洋副支社長は、イノシシの市街地出没事例を報告。イノシシは山中の餌不足で市街地に出没するのではなく、「人間の餌付けやごみ出しのマナーを守らないことが誘因につながっている」と指摘した。 長野県軽井沢町のNPO法人ピッキオの田中純平さんは「クマと人の共生」と題し講演。町内では別荘が集まる地帯に、ごみ集積所を整備し、熊に壊されず、開けられない頑丈なごみ箱を設置したことなどを紹介。「目撃情報も減少した」と成果を報告した。 研究会では(1)捕獲(2)地域連携(3)環境整備──の分科会を設け、それぞれ意見交換した。環境整備では河川敷でやぶを刈り取って更地にすることで、イノシシの出没が減少した例などを参考に、対応策を話し合った。一方で「更地にした後に生えてきた草を食べに鹿が出没するようになった」という報告もあった。整備後の草刈りを続ける体制づくりについても議論した。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース