旧優生保護法(1948~96年、旧法)の下で、知的障害を理由に不妊と中絶の手術を強制されたのは憲法違反だとして、北海道内の女性(80)と夫(提訴後に死去)が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が16日、札幌高裁である。一審では女性が不妊手術を受けたとは認められず、控訴審で原告側が手術を受けたことを客観的に立証できたかが鍵になる。
訴状などによると、原告の女性には乳幼期の熱病が原因とみられる知的障害があり、77年に夫と結婚し、81年に妊娠した。原告側は、親族から「(女性は)子どもを産むことも育てることもできない」と出産を反対され、夫は逆らえずに中絶と不妊手術に同意した。しかし女性は同意しておらず、81年6月に両方の手術を強制されたと主張している。
夫妻は2018年6月、憲法で保障された子どもを産み育てるかどうかを自ら決める権利(リプロダクティブ・ライツ)を侵害されたなどとして、国にそれぞれ1100万円の賠償を求めて提訴。夫から生前に弁護団が聞き取った内容が証拠として出された。しかし、夫は翌19年に亡くなり、夫のおいが原告を引き継いだ。
21年2月の一審・札幌地裁…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル