「ががんっ、ががんががんっ」ってリズムよく刻むあの音が心地いい。大阪市内の淀川の鉄橋を渡る電車の音。実家が近くなので、風向きによっては聞こえてくるんですよ。
僕は幼いころ電車を見ると喜んでいたそうで、おとん(父)が自転車に乗せて淀川沿いをよく走ったそうです。JR、阪神、阪急、いろんな電車が淀川を渡っていく。そのたびに電車を見てた。おとんが「はよ帰るぞ。時間や」って言っても、僕は「いやや。まだ」って答えて、その攻防ですよね。冬は寒くて、粉雪舞い散る中、鼻水垂らしながら見てたことを覚えています。
3~4歳の頃、淀川で阪神電車が鉄橋を渡ってきた時です。僕が手を振ると車掌が振り返してくれたんです。「車掌さんかっこいいな」ってあこがれました。そんなこともあって、車掌じゃなくてもメンテナンスとか、鉄道関係の仕事につけたらいいなと思ってました。
小学生の腕ではやっぱりぶれる
ところが、大阪府立高校の在学中にNHKのど自慢のグランドチャンピオンになった。卒業してすぐ上京して、演歌歌手としてデビューしました。
趣味は「撮り鉄」。小学生の頃から使い切りカメラで撮り始めました。現像してみないとわからないんですが、小学生の腕なんでやっぱりほとんどぶれてるんですね。高校生になって、小遣いためて5万~6万円のデジタルカメラを買った。今使ってるキヤノンの一眼レフカメラは2代目です。
演歌の時は着物を着てますけど、普段着は洋服に眼鏡にマスクに帽子姿。だから誰にも気づかれません。喜んでいいのか、悲しんだ方がよいのか複雑ですけど。
ある臨時列車を撮りに行った時です。
徳永ゆうきさんが岐阜羽島駅で偶然撮影できた車両の話や阪神尼崎駅でのルーティンなど「撮り鉄」としての秘話や、鉄道への思いをお話ししてもらいました。
ホームで白髪まじりのおばあ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル