長崎県の五島地方と対馬に大雨特別警報が発表されています。この地域には、線状降水帯が停滞しており、この後も1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降る恐れがあります。すでに記録的な雨量になっており、大規模な災害の危険が大きくなっています。命を守るための最大級の警戒が必要です。
線状降水帯 五島列島~対馬に停滞
この記録的な大雨をもたらしているのは五島列島から対馬にかけて停滞している線状降水帯です。
東シナ海では台風5号に伴う南西からの風が吹いている一方、九州付近では太平洋高気圧の周辺をまわる南東からの風が吹いています。これらの風が合流する九州の西で南北に延びる線状降水帯が形成されているのです。
この後も、五島列島から対馬にかけては、次々と非常に発達した雨雲がかかることが予想されます。大規模な災害の危険が非常に大きくなっており、命を守るための最大級の警戒が必要となっています。
台風5号は北東へ 九州北部各地で非常に激しい雨に警戒を
大型の台風5号は、東シナ海を北上し、現在は朝鮮半島のすぐ西の黄海に達しています。この後は、進路をやや東よりに変え、朝鮮半島を北東へ進む見込みです。
これまで台風5号が東シナ海をほぼまっすぐに北へ進んだため、線状降水帯が五島列島から対馬付近に停滞し続けました。この後、台風が進路を東よりに変えるとともに、線状降水帯が次第に東に移ることが予想されます。20日夕方以降、夜にかけては、長崎県の南部・北部、佐賀県、福岡県を中心に1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降る恐れがあります。
九州北部の各地で大雨に対する警戒が必要です。
日本気象協会 九州支社 松井 渉
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