2025年大阪・関西万博を見据えて関西空港と神戸空港の発着枠を増やすための新たな飛行ルート案について、地域への騒音の影響を調べる検証委員会の初会合が3日、神戸市内で開かれた。
委員会は、新ルート案の影響を受ける大阪、兵庫、和歌山の3府県が設置した。地域政策などの有識者6人が委員を務める。
初会合は冒頭を除き、非公開で開かれ、出席者によると、今後、飛行機が通る地域の騒音の予測値を出して影響の度合いなどを話し合い、住民らに説明する機会を設ける方針を決めた。検証委は今年中に結果を取りまとめ、国に報告する方針。
新ルート案では、淡路島上空を飛ぶルートが設けられ、陸地の上空を通る時の最低高度も引き下げる。淡路島のほか、大阪府の泉州地域や和歌山市などで、これまで以上の騒音が生じるおそれがあるという。
委員会の加藤恵正座長(兵庫県立大名誉教授)は終了後の会見で、訪日客増加などを見据え、空港の強化は意義が大きいと説明。「(騒音対策との)完全な両立は難しいが、地域への影響をいかに最小化するかが重要だ」と話した。
発着枠の増加は関西、神戸、大阪(伊丹)の3空港の運営について官民で話し合う「関西3空港懇談会」(座長=松本正義・関西経済連合会会長)で昨年9月に決定した。大阪湾や明石海峡の上空がすでに混雑しており増加に対応できないとして、ルートの見直しを国土交通省に要請。今年6月の懇談会で、国交省が新ルート案を示していた。(箱谷真司)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル