太田原奈都乃 大藤道矢
全国で相次ぐ強盗事件。それらとの関連が指摘される山口県岩国市の事件で有罪判決を受けた渡辺翼被告(26)=東京都江戸川区=は、もとは普通の会社員だったという。なぜ「闇バイト」に手を出し、犯罪に手を染めたのか。判決前、勾留されている山口刑務所で朝日新聞記者が接見した。
渡辺被告は面会室に現れると、記者を見て軽く会釈した。
上下ともジャージー姿。素朴な若者という印象だ。
接見は30分間。記者とアクリル板越しに向き合うと、被告は落ち着いた声で、事件について語り始めた。
SNSで応募、すぐに来た指示
平日は昼間に働く会社員だった。ただ、パチンコ通いで消費者金融に手を出し、借金があった。
返済のため、仕事を探し始めた。
ツイッターで検索すると、「闇バイト」のハッシュタグの付いた投稿がたくさん出てきた。多くの報酬は10万~20万円。
その中で、「日当100万円以上」という桁違いの求人が目についた。
昨年11月5日。ダイレクトメールを送るとすぐに、男の声で電話がかかってきた。
「動けますか」
山口県での強盗未遂事件で有罪判決を受けた被告。「闇バイト」に応募してから、遠く離れた岩国市で事件を起こすのはわずか2日後でした。接見した記者に、その2日間の出来事を語りました。
一定の時間が過ぎると交信記…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル