大雪による除雪トラブルが今月初めに続き、再びJR北海道を襲った。断続的な降雪で除雪が追いつかず、空の玄関の新千歳空港と札幌を結ぶ路線は23日、大規模に運休。JR北は同日夜の復旧を目指したが果たせず、空港には次々に到着する飛行機から降り立った4千人超の利用客が留め置かれた。臨時列車の運行も当初より大幅遅れの24日未明となり、660人が空港で夜を明かした。混乱はなぜ起こったのか。(榧場勇太、川村さくら、志田修二)
再開見通し、何度も後ずれに
「除雪作業が遅れ、(運転再開の情報も)二転三転し、大変申し訳ない」。JR北の島村昭志・工務部長は24日午後の会見で、新千歳空港―札幌間の運転再開の大幅遅れを陳謝した。
同区間では断続的な大雪に見舞われ、まず21日に運休した。当初は22日昼の再開を目指したが除雪作業が遅れ、同日は再開できず、23日も始発から動かないまま。23日午後、午後9時すぎに運転再開するとの見通しを示したが、これも再開できなかった。
その後、空港で足止めされた利用客を札幌へ運ぶ臨時列車の運行を決めたが、大幅に開始が遅れた。24日午前3時にようやく始まり、同区間は丸3日にわたり運休する形になった。
島村工務部長は再開の大幅遅れについて、連日使用していた除雪車両の出力が弱まるトラブルが発生したと説明。踏切では横断する車で線路上の雪が踏み固められ、さらに除雪に手間取った。除雪車が入れず、スコップやつるはしで氷を取り除いた。
特に時間がかかったのが、札幌と新千歳空港の間に位置する恵庭市の恵庭島松駅周辺。恵庭島松では24日に最深積雪154センチを記録。これまで最多だった115センチ(2006年)を大幅に上回った。
運行情報の利用者への説明もはっきりせず、空港では改札口に長蛇の列ができた。島田信明・運輸部長は「移動を計画されているお客様に、計画の変更ができるよう、なるべく多くの情報を伝えようと心がけた」と説明。島村工務部長は「再開の見込みを正確に伝えることができていない。見込みが大きくずれ込み、的確ではなかった」と話した。今後、運行情報の発表のあり方について社内で検討するという。
札幌―新千歳空港間は24日朝から運転を再開したが、苫小牧に止まっている列車が除雪遅れで動かせず、25日も大幅な間引き運転が続く。
また25日は札幌―函館間の特急「北斗」が終日運休する。この路線は貨物列車も利用する路線で、貨物輸送の一部にも影響が出るという。
空港にあふれる客、床には寝袋で
新千歳空港は22日は全便が…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル