難民申請中でも外国人を母国に送り返せるようにする入管難民法の改正案が、今国会に提出されることになった。何度も繰り返される難民申請は、送還逃れの不当な乱用なのか、それとも不適切な認定審査の裏返しなのか。「難民鎖国」と批判されてきた日本のあり方が問われている。(田内康介、平山亜理)
「送還忌避者」――。出入国在留管理庁は、強制退去処分を受けても帰国しない外国人をそう呼ぶ。
在留期間を過ぎても日本に残る人は約5万8千人(2022年7月時点)に上る。こうした不法残留者や、不法就労者、重大犯罪で有罪になった人は、強制退去処分になれば多くは応じるが、「帰国したくない」と送還を拒む人が21年末時点で3224人いる。
「法律が改正されたら自分や家族はどうなるのか」――。「送還忌避者」と呼ばれる人たちの生の声も通して、改正案の是非を考えます。
■ピーク時は年間2万件の申請…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル