小泉進次郎環境相は29日の記者会見で、将来の電力の安定供給を目的に創設された「容量市場」での落札価格が高値となったことを疑問視した。「海外と比較しても高い水準だ。妥当性があるか国民に説明できることが必要だ」と述べた。再生可能エネルギー事業者の負担になりかねないとの懸念がある。 容量市場は再エネを含めた電力小売事業者が発電事業者の4年後の供給力に対して費用を負担する仕組み。電力自由化に伴う電力価格の変動を想定し、発電事業者が将来の発電所の維持・建設費を捻出しやすくする狙いがある。 令和6年度に必要な容量の初入札は7月に行われ、落札結果は国が設定した上限価格に近い1キロワット1万4137円だった。利用者の電気料金が原資となるため、採算が取れないと再エネ事業者が市場から撤退する可能性もある。 小泉氏は落札価格について「英国と比べて5倍、米国の2倍強、フランスの10倍強といわれる」と述べ、「再エネ由来の電気料金が値上がりする懸念も聞かれる。再エネの主力電源化という政府方針にどう影響を及ぼすのか見極めていく」と語った。 環境相が経済産業省が所管する容量市場に言及するのは異例といえる。
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