「大丈夫ですか? あなたのひとことが誰かを救う。」
関西の鉄道事業者が4月から、そう記されたポスターを駅や車内に貼り始めた。
盗撮や痴漢の被害に遭っても、周囲に助けを求めることができなかったり、被害に気づかなかったりするケースが多い。警察や鉄道各社は、被害を目撃した人が、声を上げることが大切だと訴える。
実際、列車に乗り合わせた人が声を上げ、現行犯逮捕につながった例もある。4月下旬の平日の朝。阪急京都線の普通列車に乗っていた大学生の上兼栗(うえかねくり)こころさん(24)は、そばにいた若い男の動きが気になった。
座席は埋まり、男も上兼栗さんもドア付近に立っていた。そして男の前には、背を向けて友人と話し込む女性がいた。
男はスーツ姿で、本を読んで…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル