フローリングの床にはうずたかく積まれた洗濯物。周りにはいくつものおもちゃが散乱する。生まれたばかりの長女をあやす妻(46)の足元で、2歳の長男は「ママをとられた」と大騒ぎだ。ああ、きょうも食事の用意がゆっくりとできそうにない。ごはんを炊き、簡単に調理できる冷凍食品や納豆などで済ませたものの、洗い物までは手が回らなかった。
今から2年半前のことだ。23区内に住む会社員男性(46)は当時、育休を取り、子どもの世話に追われていた。
様々な事情で利用される子どもの「一時預かり」。男性は利用しようと思ったものの、ある壁が待ち受けていました。慌ただしさを抱える家庭にとっては、何がハードルなのでしょうか。記事後半では一時預かりの現状や新たなサービスを紹介します。
長男が目を覚ますのは朝5時。妻は長女の夜泣き対応や頻繁な授乳で疲弊し、長男にかまう時間が大きく減っていた。それが気にくわないのか、長男は暴れることが増え、物を投げることも。自宅を避け、日中は児童館や公園、スーパーなどに行って、父と息子で過ごす時間が増えていた。
そこへコロナ禍が襲った。児…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル