世界トップ棋士を破った囲碁のAI(人工知能)を開発した英国の会社は、医療に攻め込もうと、AIに学ばせる医療データの収集に躍起だという。日本でも遅まきながら、適切な医療の提供や従業員の健康管理に役立てるため、エビデンス(証拠)を蓄え、データを活用する動きが広がってきた。
「初めは『手術を受けに来たのに何でこんなことせなならんの』と訴えていた患者さんが、歯磨きを頑張っているのを見ると、うれしくなりますね」
大阪警察病院(大阪市天王寺区)の歯科衛生士、皆木佐予さんがいう。皆木さんは「周術期管理チーム」の一員だ。医師や看護師、理学療法士、管理栄養士ら多職種が連携して手術の前から患者の検査や問診、指導にあたる。
チームが実証した大きな成果は、食道がんの手術を受ける患者に入院前から口腔(こうくう)ケアを継続的に実施・指導したところ、手術後の合併症を抑えられるようになったことだ。その結果、平均在院日数の中央値を、それまでの68日から28日に短縮できた=チャート左。
きっかけは2013年。麻酔科…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル