【リヤド=沢田大典】安倍晋三首相は12日午後(日本時間同日夜)、中東3カ国歴訪の最初の訪問地であるサウジアラビアでサルマン国王と会談し、米国とイランの対立を受け緊張状態にある中東情勢を意見交換した。日本は原油輸入の4割をサウジに依存しており、エネルギーの安定供給に向けて協力を深めることも確認した。
これに先立ち、首相はサウジのファイサル外相と面会し、地域の緊張緩和と情勢安定化に向け緊密に連携していくことを確認した。
首相は「中東情勢が緊迫の度を高めていることを深く憂慮している」と言及した。その上で「粘り強く外交努力を続けていく。アラブ、イスラム世界の盟主であるサウジアラビアとも緊密に連携していきたい」と呼びかけた。
首相は、日本関係船舶の安全航行を確保するための海上自衛隊の中東派遣について説明した。政府によると、ファイサル氏は「航行の安全確保はすべての関係国の責任であり、日本の決定を歓迎する」と述べた。
国王との会談後、首相はサウジ北西部ウラーに移動し、実質的な指導者であるムハンマド皇太子と会談する予定だ。
サウジはイスラム教スンニ派の大国で、シーア派の大国イランと断交状態にある。首相はサウジ首脳との会談で、中東における海自の活動に理解と協力を求める一方、イラン首脳とも対話ができる立場を生かし、サウジ・イランの関係改善に向けた方策を模索するとみられる。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース