JRなど首都圏の鉄道各社が、駅構内にシェアオフィスを広げている。今年に入り、主要駅の改札内やホーム上に個室型などのスペースを相次いで設置した。新型コロナウイルス感染拡大でテレワークが普及するなかで、需要は伸びているという。列車移動の合間に、短時間で利用できるメリットもあるようだ。使い心地はどうなのか。
4月下旬、JR東京駅の改札内。公衆電話のようなブースが四つ並ぶ。午後4時前、ワイシャツ姿の男性医師(41)が駆け足で中に入っていった。上野から勤務先の病院に向かっていたが、予定していたテレビ会議に間に合わせるため、電車での移動中に急きょ予約したという。「駅の外だと見つけるのが大変だが、駅の中なら駅員にも聞けるので、便利かと思った」
3度目の緊急事態宣言が出る前だったが、この日はほぼ埋まっていた。男性医師は、1時間半ほど使用した。初の利用だったというが「喫茶店だと自分の話す声が気になる。駅構内でも、あまり雑音は気にならなかった。また使いたい」と話した。
JR東は、個室型スペースを駅構内だけで45カ所(41駅)に112台設置した。高さは約2・3メートルで、奥行きと幅が1・2メートル。コロナ対策のための換気設備と除菌シートがあり、食事は不可。電源の使用やインターネットの接続は可能だ。
料金は15分税込み275円からで、1時間で1千円を超す。価格について「周辺相場や実証実験のアンケートを参考に決めた」(担当者)。だが、1日250件の利用があり、仕事以外での目的でも好評という。通勤の合間の英会話レッスンや、子どもへのサプライズプレゼントづくりなど「家族に見られたくない習い事や、作業のための利用もあるときいている」と説明する。
ブースは、専用サイトに会員登録して予約する。非会員でも使用できるが予約はできず、直接ブースに行って空き状況を確認しなければならない。JR新宿駅では、ブースを利用しようとした女性が「会員ではないですが、使い方がわからない」と、スマホを手に戸惑った様子だった。
JR三鷹駅と西国分寺駅のホ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル