東京都新宿区のマンション駐車場で作業員4人が死亡し、1人が重症となった事故で、警視庁は20日午前、業務上過失致死傷容疑で天井板の張り替え工事を請け負った株木建設などを家宅捜索した。同社の安全対策が不十分だった疑いがあるとみて、関連資料を押収して調べる。
捜索を受けたのは、東京都豊島区の同社東京本社など。事故は15日夕にマンション地下1階の立体駐車場で起きた。天井の張り替えをしていた男性作業員7人のうち、20~50代の4人が死亡、20代の1人が重症になった。死因は二酸化炭素中毒とみられる。
捜査関係者によると、作業員が天井の消火設備を付け直した際に熱などを感知する機器に触れたことで、火災が起きていないのに消火設備が作動し、火を消すための二酸化炭素が噴射された可能性があるという。
株木建設はマンションの管理会社から工事を受注していた。当時、現場には同社の責任者1人がおり、実際の作業は孫請け業者がしていたという。
二酸化炭素を噴射するタイプの消火設備による同種の事故は昨年12月に名古屋市で、今年1月には東京都港区でも起き、作業員計3人が死亡した。相次ぐ事故を受け、総務省消防庁は1月下旬、消火設備の周辺を工事する際、専門性を持った消防設備士などを立ち会わせるよう注意喚起していた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル