約330メートル。昨年11月、高さ日本一の高層ビル「森JPタワー」を擁する複合施設「麻布台ヒルズ」が開業した。ビルの下から見上げると、あまりの高さに圧倒される。東京タワーからほど近い都心にあり、周辺にはいくつもの高層ビルが立ち並んでいるが、そのなかでもひときわ強い存在感を放っている。
【撮影ワンポイント】麻布台ヒルズ
日没間際であれば森JPタワーとイルミネーションがどちらもよく見える。そびえ立つイメージのアングルで、絞り値を大きくし、LEDの光を十分に写し込むためシャッタースピードを遅くした。オープン間もないタワーを見に来る人が多く、ひっきりなしに人が通る。人のいない写真を撮るのに苦労した。(小林正明)
タワーは52階までがオフィスで、54階から最上の64階までが住居だ。働く人も住む人も絶景が眺められることは間違いない。外観デザインを手がけたのは、米国の建築家シーザー・ペリ氏が創設したペリ・クラーク・アンド・パートナーズ(PC&P)。ニューヨークのワールドフィナンシャルセンターのほか、日本国内でも「あべのハルカス」(大阪市)や愛宕グリーンヒルズ(東京都港区)などといった超高層ビルが実績に数えられる。
タワーのそばを見回すと、うねるような流線形をした低層の建物群が目を引く。いずれも、イギリスの建築家トーマス・ヘザウィック氏が日本で初めて手がけたものだ。2012年ロンドン五輪の聖火台をはじめとした個性豊かなデザインに定評がある。敷地内にはほかにも、国内外の現代美術家が手がけたパブリックアートが立ち並ぶ。再開発を手がけた森ビルの辻慎吾社長は「ここまでデザインにこだわった街は、世界を見回してもないでしょう」と胸を張る。
森ビルによると、敷地の一帯はかつて木造建物の密集地域だった。1989年に再開発計画が動き出し、地権者との交渉を経て、着工は30年後の2019年。「緑に包まれ、人と人をつなぐ『広場』のような街」をコンセプトに生まれ変わった敷地内には、芝生の広場や果樹園などが広がっている。
「高さ日本一を目指したので…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル